9×9=無限大

将棋に関する雑記ブログです

【叡王戦】藤井聡太七段の粘りを振り切り、斎藤慎太郎王座が勝利!本戦2回戦進出を決める

 

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 画像出典:藤井聡太七段、叡王戦本戦1回戦 斎藤慎太郎王座に敗れる - 産経ニュース

 

充実の王座

現在、棋界で最も若いタイトルホルダーは、

共に1993年生まれの高見泰地叡王斎藤慎太郎王座。

特に斎藤慎太郎王座は、今年の10月30日に中村太地 前・王座との死闘を制し、

タイトルホルダーになったばかりの、「生まれたてほやほや」のタイトル保持者です。

 

棋士が初タイトルを獲得したあとに陥りがちなのが、一時的なスランプのようなもの

一躍時の人となり、メディア露出やイベント出演なども増えるのでしょうが、

それ以上にタイトルホルダーとしての重圧、責任感によって思うような成績を残せないのかな?、という方も見受けられました。

 

しかしながら、斎藤王座の場合はそんな心配も何のその。

タイトル獲得後の対局にはすべて勝ち、4連勝で本局を迎えました。

タイトル戦を戦い抜いたことで、技術的にも精神的にも一回り成長したのだと思います。

そして何より「勝負師」としての「魂」を身にまとったのだと。

 

originalnews.nico

 

対局相手は、藤井聡太七段。

この世でもっとも詰将棋を愛する青年と、この世で最も速く詰将棋を解く少年が盤上で激突しました。

 

対局振り返り

序盤戦

斎藤王座の先手番で対局が開始。

戦型は角換わりとなりました。

 

両者の研究範囲なのか、序盤はよどみなくすらすらと進みます。

下図は33手目▲2九飛まで。

 

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いやーもうこの形今年に入ってからめちゃくちゃ観ましたよね?

私は基本的には振り飛車党なんですが、

角換わりの序盤も真似するだけならできるようになりましたもん。(笑)

んで、ここから後手も△8一飛と下段飛車に構えるんでしょ?

おじさん知ってるよ?

と思っていたら△6五歩、▲3五歩、△同歩、▲4五桂と進みました。

 

Oh…なるほど、分からん。

 

どうもこのやり取りが序盤のキーポイントで、

跳ねた桂馬が働くかどうかが焦点だったようです。

 

中盤戦

先ほどの図から数手進んで、45手目 ▲6四角打。

ここで斎藤王座は前例から離れ、狭いところに角を打ち付けました。

これはこのあと、▲5三桂成、△同金、▲7三角成を狙った手です。

 

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一見、打った角が狭くすぐ取られてしまいそう・・・と素人的には思ってしまうんですが、まぁそこはプロですから

この後うまく攻めをつなげた斎藤王座が次第に主導権を握っていきます。

 

下図は馬づくりに成功した先手に対し、

その馬を消そうと後手が△8三角と打った局面。

これまで最善に近い応手を重ねていた藤井七段でしたが、この手があまりよくなかったようです。

コンピュータソフトの評価値も、これで一気に先手有利に傾いてしまいました。

 

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終盤戦

ここからパタパタと手が進み、迎えた終盤戦。

81手目 ▲4五銀打 まで。

 

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後手玉の上部脱出の望みは絶たれ、挟撃体制が築かれました。

次に▲5一角以下の詰めろになっています。まさに風前の灯火。

 

私も、さすがの藤井七段もここまでか・・・と思いましたね。

何を血迷ったのか、

風呂に入りにいく大悪手。

実際はこのあと、藤井七段が1分将棋の中、驚異的な粘りを見せることになります。

 

風呂から上がってもまだ指しててビビった。

 

下図は投了図となった▲2一飛まで。

総手数は実に135手。

 

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激戦を物語る盤面ですね。

後手の飛車の位置、どうなってんのそれ。

あまりに長く終盤が続いたので、正直見どころしかなかったわけですが、

詳しい解説は、将棋連盟Liveやニコ生を観よう!(何)

 

最後が投げやりになってしまいましたが、

とにもかくにも手に汗握る終盤戦を制し、斎藤慎太郎王座が本戦2回戦に駒を進めました。

 

 藤井聡太七段の連勝は9でストップ

さて、惜しくも破れてしまった藤井七段ですが、

昨日の敗戦で連勝記録も9連勝でストップという結果になってしまいました。

 

今年度の連勝ランキングトップは佐藤天彦名人の14連勝なので、

藤井七段のランキング更新は難しい状況となりました。

 

また、対局数ランキングでは現在10位(33局)、勝数ランキングでは3位(27勝)とこれまたトップを狙うには少し足りない数字・・・。

 

唯一1位になれそうなのは勝率ランキング(現在2位、0.818)ですが、

現在トップに立つ及川六段(0.857)が勝ちに勝ちまくっていることを考えると、

これから一局一局の重みがさらに増していくことでしょう。

 

そんな藤井七段の次戦は12月18日(火)の順位戦C級1組、

門倉啓太五段との対局になります。

こちらもお楽しみに!